今さらですが、日曜日の読売新聞。
総裁選に合わせ「識者に聞く」という記事で、
ゴー宣道場にもかつてゲストで来ていただいた
井上武史氏(現在は関西学院大教授)が
コメントを寄せていた。
安倍政権下での憲法論議について、与野党の動きを
冷静かつかなり抑制的に総括した上で、こう述べている。
「改憲が遠のくことは国民の声が
憲法に届かなくなることだ。
国民には憲法制定権力が委ねられており、
望ましい事態ではない。
改憲を経ずに官僚などが『憲法解釈』の
変更で憲法の意味を変えてきた結果、
解釈で何でもできるという意識が広がり、
憲法の規範性が失われている」
まったく同感。
場当たり的な解釈の変更が、憲法そのものを
軽んじることにつながっていったのだ。
立憲主義とは真逆の方向だ。
「国民には憲法制定権力が委ねられている」
という一文にも、あらためてハッとさせられる。
教条主義的な護憲でも、変えさえすればいいという改憲でもなく、
お上任せの安易さにあぐらをかくことなく、
私たちこそが主体となって考えていかなくてはならないのだ。
井上氏は、憲法9条が立憲主義のアキレス腱だと
した上で、9条以外の論点なども提示している。
安倍政権の下の改憲は絶対反対、としていた人は
議論の土俵に上がるのだろうか。
何にしても、立憲主義のあるべき姿を追求して
いかなければ、まともな国家にはなり得ない。
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